ボッティチェリ展@東京都美術館
今回は、上野にある東京都美術館で開催中の、
ボッティチェリ展に行ってきました。
■ボッティチェリって?
ボッティチェリは、イタリア・ルネサンス時代の巨匠の1人です。
『ヴィーナス誕生』や『春』の作者と言えばピンとくる方も多いかもしれません。。。
首をかしげるような、独特なポーズを取る人物の表現が特徴的。
■フィリッポ・リッピの弟子だった。
今回の展覧会で知ったのですが、ボッティチェリという人は、
あのフィリッポ・リッピの弟子だったみたいです。
フィリッポ・リッピと言えば、聖職者でありながら修道女と駆け落ちしたことで有名なナイスガイです。
そして、もうひとつ驚かされたのが、フィリッポ・リッピの息子、
フィリピーノ・リッピ(だっけ?笑)がのちにボッティチェリの弟子となり、
ライバルになるまでに成長するということでした。
■展覧会の内容
そして、今回の展覧会では、その
フィリッポ・リッピと、フィリピーノ・リッピ
の作品も多く展示されていました。
気になったものをいくつか挙げていきましょう。
★★★★★★
サンドロ・ボッティチェリ『聖母子』
ボッティチェリの聖母子です。
幼子イエスの左手には受難の寓意である三本の釘と、茨の冠が。
そんな息子の将来を予兆するかのように、悲しげな視線を向ける母マリア。
て感じですかね笑
いやしかし、ボッティチェリの絵画は本当に美しいですね。
リッピ親子の絵画も見ごたえ十分ですが、皮肉にもボッティチェリとの
核の差を見せつけられるような展覧会だなと。。。
怒られそうですね。
そんなフィリピーノさんからも一枚
フィリピーノ・リッピ『聖母子』
本物はもっと発色がいいですが。
やはり、作風がえらい似てますね。花の描き方とかも。
僕なんかはボッティチェリ作だよと言われれば信じてしまいますね多分。
個人的にはこっちのマリア様のほうが母性を感じました。
ポーズのせいですかね。。。
どんどんいきましょう。
これ、幼子イエスをマリアとヨハネが抱きかかえているシーンなんですが、
イエスが磔にあったあとの十字架降下の場面を彷彿とさせる面白い1枚でした。
サンドロ・ボッティチェリ『誹謗』(2016/02/10追記)
これは、紀元前4世紀のギリシャの画家アペレスによる『誹謗』という作品をボッティチェリが復元したもの。
原画は失われているため、レオン・バッティスタ・アルベルティさんの『絵画論』にある記述を参考に再現したと言われております。
画面を構成する人物たちはみなそれぞれ何かの擬人像で寓意が込められているそうです。
まず、画面中央の髪を引っ張られている半裸の男性が「無実」。
その周りの女性三人のうち、松明を持ち、男性の髪を引っ張っているのが「誹謗」。
その左右の女性が「嫉妬」と「悪意」。
右端で腰をかけている男性が「不正」。「誹謗」の手を引き
不正の前に立つのが「憎悪」。「不正」の周りで何やら囁いて見えるのが「無知」と「猜疑」。
黒衣の老婆は「悔恨」。「悔恨」が一瞥している裸の女性が「真理」です。
この人だけなんで裸なんでしょうね。かなり浮いてます。笑
で、その答え。「真理」は、なにものにも覆われないからだそう。なんか、かっこいー。笑
天を仰いでいるのは天の裁きを示唆しているらしいです。。。
■まとめ
この他にも、ボッティチェリの描く多くの女性のモデルと言われているシモネッタの肖像など非常に興味深い絵画など目白押しなのです。
皆さまも是非足を運んで欲しいと思います。
それでは、おやすみなさい。