絵画ブログ

絵画好き、旅行好き会社員。美術館訪問を通じて感じたことを適当に書きます。

彫刻、ギリシャ神話②

今日は、昨日始めた「彫刻、ギリシャ神話」シリーズの2つ目です!

今回の話は、誰でも知っているとある星座にふかーーく関係してきます。

 

本日取りあげるのはこの作品...

 

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これもクレタの考古学博物館にありました。

左から、少女、白鳥、天使が彫られています。

でもなんか雰囲気が異様ですよね...。

何やら、白鳥が少女に掴み掛っているように見えますね。

 

そこで、少女の顔に注目して見ると...

 

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ちょっとぼけていますが笑

私には、すんごく嫌そうな顔をしているように見えます。

でも、多分恍惚(こうこつ)とした表情を表しているのでしょう。

 

実はこの白鳥、大神ゼウスが化けた姿なんですね。

どういう意味か??

ギリシャに伝わる神話の中には、重大な位置を占めるオリンポス12神

というえらーーい神様が12人(メンバーには諸説あり)います。

その中でも、男の神様たちはとっても浮気性なんですね。

特に、一番偉いゼウスは人間にも神様にも女性であれば手を出しまくり。

 

で、ゼウスにはヘラという正妻がいるのですが、

当然浮気なんて許してくれないわけです。

それでも浮気をしたいゼウスはどうするか。

そうです。

動物や、時には雨や雲に姿を変えて女性に近づきます。

 

この作品は、白鳥となったゼウスが、まさに少女に手を出している決定的瞬間というわけです。

白鳥ゼウスから、この少女の正体はレダであると分かります。

スパルタの王妃です。

 

で、何が星座と関係しているのかというと、結局このあとレダは

妊娠しちゃうんですね。しかも、その晩本来の夫とも一晩を共にしたことから、

ゼウスと夫両方の子を身ごもります。

 

そしてなんと、卵を産みます笑

生まれたのが、トロイヤ戦争の引き金となる絶世の美女ヘレネ

そして、カストルとポリュデウケースという双子の男の子でした。

 

今回は、ヘレネのことは置いといて、双子の話をします。

 

2人はいつも仲良しでしたが、ある時、戦いに巻き込まれたことがきっかけで、

兄のカストルは亡くなってしまうんです。

レダは、ゼウスと同じ日に人間の夫とも関係を持ちましたよね??

弟のポリュデウケースはゼウスの子なので不死身でしたが、

兄は人間の血を引く子供であったことが災いしてあっさり死んでしまうのですね。

 

兄が大好きだった弟は悲しみます。

ああ、なんとか兄の命を取り戻せはしないだろうか。

 

ポリュデウケースが悲しみの底で思いついたのは、

自分の不死の能力を兄に分け与えることだったんですね。

そこで、お父さんのゼウスに相談します。

 

ゼウスは、2人が1年の半分を冥界で、残りの半分を天界で

過ごすことを承認してくれます。

 

そして、この素晴らしい兄弟愛を記念して、

夜空にふたご座を飾ったというわけです。

 

これが、ふたご座誕生の物語です。

冬の星座なので、そろそろ時期は終わっちゃいますね。

 

この作品からは、大体こんなところまで想像出来ます。

まだまだ展開する余地はありますが、このへんで...

 

ありがとうございました!